肝硬変の原因:アルコール

アルコールは適量を飲めば百薬の長ともいわれていますが、適量というのが難しいです。

どの程度の飲酒で肝硬変の危険度が増すかといいますと1日平均150g以上のアルコールを飲む人が危ないと言われています。

この量はお酒に換算すると、日本酒で約5合、ビール大びんで約5本、ウイスキーではダブルで約5杯ということになります。

これだけの量を毎日飲む人なんてそうはいないと思うのですが日本人の1/50人もの方がこれだけの量を飲んでいるそうです。

この量を2週間続けただけで脂肪肝になり、日本酒約3合を毎日飲む方の2割はがやがてアルコール性肝障害を発症し、一部症例では、発熱、黄疸、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、嘔吐、下痢などの自覚症状を訴えます。

更にアルコール性肝硬変に至ると、しばしば糖尿病、下肢の浮腫、黄疸、腹水、痔出血、吐血を認めるようになります。

男性の場合は、この量を20年間飲み続けると肝硬変になる可能性が高くなり、女性の場合は12年間飲み続けると、その可能性が高くなります。

最近では男性より女性の方の飲酒の割合が高くキッチンドランカーという言葉でもわかるように肝硬変になる前にアルコール依存症の症状が現れることも少なくありません。

ウイルス性の肝炎を患っている状況での大量飲酒は肝硬変だけではなく肝臓癌に進行してしまう割合が高くなりますので注意が必要です。



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アルコールが原因の場合の肝硬変の治療は、まず断酒です。

アルコールを断たないことには肝細胞へのダメージを無くすことは出来ませんので、禁酒ではなく断酒をすることが治療前の準備となります。