D型肝炎とは

D型肝炎とは、ウイルス性の病気です。

D型肝炎ウイルスは、肝炎を起こす性質をもってはいますが、それ自体では存在できません。

D型肝炎ウイルスは、B型肝炎がなければ存在できません。


【δ(デルタ)肝炎】
B型肝炎の患者の肝細胞から、HBV(B型肝炎ウイルス)とは違うウイルスが発見されました。
ウイルスは、“δ(デルタ)因子”と名づけられました。
その後の研究で、δ因子はウイルスであることが分かりました。
この肝炎は、現在ではD型肝炎と呼ばれるようになりました。


【D型肝炎の特性と地域】
HDV(D型肝炎ウイルス)はHDV自体を捉えることはできません。
抗体を検出することはできます。
それによって、D型肝炎に感染しているかどうかを調べることができます。

D型肝炎は、島などに多い肝炎です。
アジアはB型肝炎の多発地帯ですが、陽性率は低いといわれています。
日本では、HBV(B型肝炎ウイルス)キャリア(ウイルスを持っている人)の0.1~0.4%にすぎないそうです。


【D型肝炎に感染すると?】
D型肝炎は、血液で感染します。

・輸血などでB型肝炎とD型肝炎に同時に感染する場合・もともとB型肝炎のキャリア(ウイルスを持っている人)がD型肝炎に重感染する場合
※重感染とは、ある肝炎のキャリアが別の肝炎に感染することをいいます。

B型肝炎・D型肝炎を感染する場合では、B型肝炎が一過性ですむため、B型肝炎が治るとD型肝炎も無くなります。
B型肝炎・D型肝炎、2種類の急性肝炎が起きるため、劇症肝炎などにといわれています。
B型肝炎のキャリアがD型肝炎に感染した場合、問題になることがあります。
B型慢性肝炎への重感染で、B型慢性肝炎が劇症化することもあります。
B型肝炎のキャリアがD型肝炎に感染した場合、D型肝炎が率が高くなり、70%がB型肝炎とD型肝炎のキャリアにといわれています。


【D型肝炎の治療】
D型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルスがなければ存在できません。
D型肝炎は、B型肝炎を体から追い出せば排除されるので、D型肝炎の治療としてはB型肝炎の治療を行ないます。




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