B型肝炎の感染経路:垂直感染(母子感染)

現在、日本のHBV感染者は120万~150万人いるとされていますが、その多くは母子感染防止策がとられる以前の母子感染によるものです。

母親がHBVに感染していると、出産のときに産道において血液を介して赤ちゃんに感染することがあります。乳幼児は免疫機能が未熟なため、HBVに感染してもウイルスを異物と認識することが難しく、また認識できても排除する能力が弱いためウイルスは肝細胞にすみつき、感染した子供は無症候性キャリア。

思春期~30歳ごろになると免疫機能が発達し、ウイルスを体内から排除しようと肝細胞を攻撃し始めるため、肝炎を発症します。しかし、多くの人は肝炎の症状も軽く、肝障害が進行することは少ないのですが、HBV感染者の約10%の人が慢性肝炎に移行します。また、HBV感染者の約1~2%の人が、肝硬変、肝がんを発症します。

現在では、母子感染防止策がとられており、新たな母子感染はほとんど起きていません。




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B型肝炎の治療法

B型肝炎の治療法

主に次の4種類の方法があります。

ラミブジン(Lamivudine:ゼフィックスTM)

ヌクレオチドアナログであるラミブジンは内服の抗ウイルス剤で、副作用も少ないため各国で広く使用されています。ALTが正常値の2倍以上の高値で経過する場合には、本剤を使用する適応がありますが、肝臓専門医による投与が理想的です。e抗原陰性例やe抗原陽性でもHBV-DNAが108copy/ml以下であれば効果も良好ですが、e抗原でHBV-DNAが108copy/ml以上の場合には治療効果に限界があり、6ヶ月目前後より耐性株の出現が高頻度で注意が必要となります。耐性株が出現することによる肝炎急性増悪が起こった場合は、インターフェロンの他、同様な抗ウイルス薬であるアデフォビルAdefovirが有効です。
いずれの場合においても1年以上の長期投与が原則となります。

ラミブジン1日100mg内服を1年間行った場合のe抗原e抗体系のセロコンバージョン率は、治療前のALT値に比例します。ALT値が正常の5倍以上であれば65%、2~5倍であれば25%、2倍以下では5%以下です。ラミブジンにインターフェロンを併用するとセロコンバージョン率が高くなり、また、長期投与を行うとセロコンバージョン率が高くなると報告されています。


インターフェロン

抗ウイルス剤として以前より使用されており、ラミブジンと同様の治療目標で、同様の治療適応の薬剤です。インターフェロンは注射剤で、発熱・全身倦怠感・うつ病などの副作用もありますが、ラミブジンにみられるような耐性株の出現はありません。両薬剤は、投与期間・薬剤費用・通院の手間・副作用出現などについて、患者への十分な説明が必要となります。
インターフェロン治療は、通常週2~3回で6ヶ月またはそれ以上の間歇長期投与で行われますが、多くの場合、治療開始初期のみ4週間程度の連日投与が行われます。

ALTが正常の2倍以上のe抗原陽性慢性肝炎に対して、週2回のインターフェロン治療を6~12ヶ月間行うと、e抗原陰性化率は30~40%で、無治療の10~15%より高率となります。インターフェロン投与方法による治療効果の違いは大きく、4週間連日投与のみを行ったわれわれの治療症例ではe抗原陰性化率は19.5%となりました。また、インターフェロン治療例を長期に観察した51例のわれわれの集計では、7年後のe抗原陰性化率は49.0%でした。


ステロイド離脱療法

e抗原陽性のB型慢性活動性肝炎に対して、宿主の免疫能の高まったALT上昇時期にステロイド剤を3~4週間投与する治療法です。投与終了後に特徴的なALTの反跳現象がみられ、この時期の経過観察後にe抗原陰性化・ALT正常化を期待する治療です。ALT反跳時期に肝炎重症化を引き起こす危険性が指摘されているので、肝臓専門医以外での治療はできません。肝硬変に近い進行慢性肝炎症例やAFP高値の慢性肝炎症例においては行えません。

e抗原陰性化率は1年後約50%、3年後は約70%です。


その他の治療薬

漢方製剤である小柴胡湯、グリチルリチン、グリチルリチン注射剤(強力ネオミノファーゲンCTM)、ウルソデオキシコール酸などは免疫調節剤・肝庇護剤として主としてトランスアミナーゼを低下させる目的で使用されますが、ウイルス学的な効果は小さいです。プロパゲルマニウムは免疫調節作用があり、トランスアミナーゼの反跳現象を経てウイルス学的な改善をもたらしますが、一時的な肝炎重症化の危険性も指摘されています。

グリチルリチン注射製剤を1日40mlで週5回以上静脈注射すると16%の症例でALTの正常値が得られました。1日100mlとすると32%の症例でALT正常値が維持できています。ウルソデオキシコール酸内服は、これらグリチルリチン製剤と相加的ないし相乗的作用を示して、ALT低下をもたらします。



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B型肝炎の治療法

急性B型肝炎では、まず安静が第一です。

急性肝炎の場合では劇症肝炎への悪化を防ぐため入院が必要になります。

黄疸が消え、肝機能がある程度回復してくると自宅療養用も可能になってきます。

薬物療法では、抗ウイルス剤と細胞自体が自己防衛のため産生する物質の生成促進剤や、一旦免疫を薬剤で抑制しそのリバウンドで免疫力アップを図る方法もあります。

B型の慢性肝炎は、C型慢性肝炎とは異なりウイルス除去が困難といわれています。

治療目的は患部位の炎症つまり肝炎を抑える事とされています。


B型肝炎のウイルスは「HBs」「HBe」「HBc」の3種類の抗原を持ちそれぞれの抗原と抗体の関係で、治療法も変わります。




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C型肝炎の原因

��型肝炎だけではなく、A型肝炎も、B型肝炎も原因となるもののほとんどはウイルス感染です。

ウイルスに感染したからといって、全ての人が肝炎を発症するわけではありません。

特に普段から飲酒の習慣などがある人の方が発症や進行が早いといわれています。

ウイルスの感染に加え、生活習慣も肝炎の原因になりうると考えられます。

��型肝炎の原因となるC型肝炎ウイルスは血液を媒介として感染するといわれています。

感染する人の中で、発症するのは6割から7割程度であると言われていて、そのうちの3割程度の人は、そのまま肝炎にならずに治癒してしまいます。

��型肝炎ウイルスに感染して、慢性的な肝炎の状態になると、肝硬変や肝がんを発症する可能性も高くなります。

��型肝炎ウイルスに感染している人は、日本では200万人程度存在するといわれていますが、実際にはその4分の1程度の人しか医療にかかっていないといわれています。

これは、C型肝炎ウイルスに感染しているということが、自覚がないからです。

��型肝炎を発症していたとしても、自覚症状がほとんどないため、実際に血液検査を受けないとわからないという状況です。

最近では、C型肝炎の原因である、血液感染を防ぐ処置がとられていますから、これからC型肝炎ウイルスに感染する人は減っていくかもしれませんが、年齢の高い人は、C型肝炎ウイルスに感染している人がいる可能性があります。





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C型肝炎治療法

C型肝炎の治療法には、C型肝炎ウイルスを体の中から排除して感染からの治癒を目指す原因療法と、肝機能を改善して肝炎の悪化、進展予防のための対症療法があります。

原因療法(インターフェロン療法)
主役はウイルスの増殖を抑える働きを持つインターフェロンです。C型肝炎ウイルスを体内から排除することを目指します。ウイルスを排除できると、肝炎から肝硬変や肝がんに、あるいは代償性肝硬変から非代償性肝硬変や肝がんへと進む危険性を大幅に少なくすることができます。いくつかの種類がありますが、いずれも注射剤です。抗ウイルス薬(飲み薬)と組み合わせて使う場合もあります。


対症療法(肝庇護(かんひご)療法)
ウイルスを体内から排除する効果はありません。進展の予防、肝炎の沈静化を目的として肝機能〔AST(GOT)とALT(GPT)〕を改善します。



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C型肝炎の感染予防

C型肝炎があるからといって、ほとんど感染する必要はないといわれています。

C型肝炎が感染するためには、C型肝炎の人の血液が他の人の血液の中に入る必要があります。

一緒に入浴しても大丈夫でしょうし、洗濯も一緒に洗っても大丈夫であるといえます。

しかし、C型肝炎の人が出血した場合は、多少の注意が必要です。

出血があるパターンとしては、鼻血やころんで怪我をしたときなどは出血がありますので、処置をしたティッシュなどは、しっかりと血液が他に付着しないように捨てるようにする必要があります。

歯ブラシは、歯茎から出血することがありますから、共用すると感染する可能性がないとはいえないので、避けるようにします。

かみそりについても、肌から出血する恐れがありますので、共用しないようにします。

血液以外にも、唾液でもC型肝炎に感染するのではないかと考える人もいるかもしれませんが、基本的に唾液でC型肝炎に感染するということはありません。

��型肝炎があるからといって、あまりにも神経質になる必要がありませんが、出血の恐れがあるものに関しては、ある程度の注意が必要になってくると考えられます。




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C型肝炎の感染経路

C型肝炎の感染経路としては、輸血、手術、予防接種などです。

鍼や予防接種に関しては、昔に行なわれたことがある場合は一度検査をした方がいいと考えられます。

輸血に関しては、C型肝炎の感染経路としてもっとも多い感染経路です。

1992年より前に輸血を受けたことがある人の場合は、感染している可能性があると考えられます。

1992年より前の輸血のための血液に関しては、C型肝炎ウイルスに対しての処置が十分ではなかったためです。ですから、透析などを利用していた人にも多いと言われています。

鍼や予防接種に関しては、使い捨ての注射針が使用されていた当時に、予防接種や鍼を利用した人は感染している可能性があります。以前の注射針は使い回しであり、消毒はしますが、消毒が不十分である場合は、感染する可能性があります。

ピアスに関しては、特にボディピアスなどで体に穴をあけるために、器具を使用しますが、その器具の衛生状態がよくないとC型肝炎に感染経路になっている可能性があります。

最近では注射針についても、当然使いまわしたりはしませんので、感染経路が少なくなってきているのは事実です。

過去にこのような感染経路に接触した可能性のある人はまだ潜在的にはいる可能性は高いと考えられます。




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C型肝炎での食事療法

C型肝炎ウイルスに感染した人が鉄を多く含まれた食品をとり過ぎると肝臓病が悪化します。

C型肝炎ウイルスに感染している人は、肝臓に鉄が必要以上にに蓄積してしまいますので、普段の食生活で鉄分の摂取を減らす食事を心がけることにより肝臓の負担を少なくし、進行を防ぐことが大事だとされています。

肝臓病は鉄制限食療法を勧められます。

鉄分は多く含む食品を紹介します。

レバー・・・鶏、豚、牛など、どの種類のものにも多く含まれる

赤身の肉・・・牛肉や赤身の魚

卵・・・卵黄に多く含まれる

大豆・・・大豆製品すべて

貝類、海藻類など

鉄分が肝臓病を悪化させると明らかになっている今、これらの食品には鉄分が豊富に含まれていますので食事のときに大量に摂取することは控えた方がいいかと思います。

鉄制限食の内容は1日の鉄分摂取量が6mg以下で1日のエネルギー摂取量30kcalが望ましいとされています。



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C型肝炎とアルコール

肝臓がんの原因としては、アルコールの取りすぎによるものと考えられてきましたが、最近では肝臓がんの直接的な原因としては、C型肝炎ウイルスによるものであるといわれるようになりました。

��型肝炎にはアルコールは関係ないのかと言うと、むしろアルコールを多く飲んでいる人ほど、C型肝炎を悪化させるということがわかってきています。

��型肝炎が悪化するということは、肝臓がんになる可能性が高いということですから、間接的にはアルコールの飲み過ぎも、肝臓がんとは無関係ということではありません。

アルコールを飲み過ぎると、肝機能が低下し、C型肝炎ウイルスに感染している場合は、脂肪肝になりやすくなります。

脂肪肝になると、C型肝炎の治療の妨げにもなりますから、治療上もよくありません。

��型肝炎が発見された人は、アルコールをほどほどにする必要があります。

アルコールの飲み過ぎは、肝機能の低下を初め、あらゆることに関係してきますから、C型肝炎に関わらず、注意をする必要があるでしょう。




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C型肝炎と鉄分

C型肝炎では、気をつけなくてはいけないポイントとして、あまり鉄分をとりすぎないということです。

なぜC型肝炎があると、鉄分をあまりとりすぎてはいけないかというと、C型肝炎ウイルスに感染している状態ですと、鉄分が肝臓に付着しやすくなるからです。

鉄分が肝臓に付着しやすくなると、肝炎が悪化しやすくなります。

鉄分を全く食べないということは、実際には不可能ですので、多少食べることは問題ないと思われます。

肝臓に言いといわれている、しじみなどは実は鉄分が含まれています。

肝臓にいいからといって、しじみをたくさん食べることは、返って逆効果ということになってしまいます。

しじみ以外にも、納豆や小松菜、ひじき、レバーなども、鉄分が多く含まれていたりします。

食生活において、C型肝炎だからということで神経質になる必要性はありませんが、少しは鉄分を意識して、鉄分を多く含まれる食品を食べ過ぎてはいけないかチェックする必要性もあります。




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C型肝炎の母子感染

��型肝炎で気になるものとしては、母子感染への影響があります。

母親がC型肝炎ウイルスに感染した人であっても、その子どもがC型肝炎ウイルスに感染する確率としては、2~3%程度であると言われています。

��型肝炎であっても、授乳していたのは共通しているので、授乳したからといって感染するわけではありません。

実際にC型肝炎に感染した子どものうちのほとんどは、数年経てばウイルスが体から消失していることも多いようです。

ウイルスが体内にあったとしても、肝臓の病気は進行は、成人してからなので、子どもときに特別C型肝炎の処置をすることはありません。

このような情報から、C型肝炎で母子感染はほとんどなく、感染したとしても、それほど大きな問題にはならないことが多いということがわかってきましたので、C型肝炎があるからといって、出産をためらるという必要性はないといえます。



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C型肝炎の薬

C型肝炎の薬の目的は、C型肝炎ウイルスの消失のためにあります。

C型肝炎の用いられる薬の代表としては、インターフェロンという薬が有名ですが、通常のインターフェロンの場合は、1週間に3回も注射をする必要がありました。

最近ではこのインターフェロンを改良することによって、1週間に1回の注射で足りるようになりました。これをペグインターフフェロンと呼びます。

このペグインターフェロンの利点は、注射の回数だけではなく、血中濃度を安定し、副作用も少ないというのが特徴です。

ペグインターフェロンには、2種類あり似ていますが、副作用などが若干違います。

��型肝炎の薬には、インターフェロン以外にもリバビリンという薬もあります。リバビリンは、C型肝炎ウイルスを除去する能力はありませんが、インターフェロンと併用することにより、さらにインターフェロンノンの効果を高めることができます。その結果、ウイルスを消失することに大いに貢献することができます。

ウイルスの除去の目的だけでなく、肝がんの発症を抑えるために、薬を吹くよす売ることがあります。ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤などの薬を使用します。

これらの薬をウイルスの状況を見ながら、単独で用いたり、併用したり用いながら治療をしていきます。




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肝硬変の原因:脂肪肝

健康診断でγGPTやGOTの値が高くて、病院で診察してもらったら脂肪肝と診断された。

脂肪肝と診断されてもそれほど深刻に受け止める人はほとんどいないと思います。

あまりにも脂肪肝という病気が一般的になってしまったせいもあり、脂肪肝は怖くない病気だと勘違いされている感じがします。

脂肪肝は男性の10%、女性の3%がかかっていると言われる国民的な生活習慣病の一つで肝臓に脂肪が溜まり肝機能が徐々に損なわれていく病気です。

脂肪肝くらい大丈夫だろうと安易にに考えていると数年後、数十年後には肝硬変や肝臓癌に進行してしまう可能性のある病気なのです。



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脂肪肝の症状としては初期の段階ではほとんど自覚症状はありません。

脂肪肝が進行した場合は、「疲れやすい・体がだるい・食欲がない」といった、肝臓病の一般的症状があらわれます。

肝臓は元来、沈黙の臓器といわれるくらい我慢強い臓器で多少の無理をしたとしても自覚症状があらわれることはほとんどありませんから、もし自覚症状があらわれた場合はすぐにでも治療をしなければなりません。

脂肪肝の原因としてあげられるのが、「肥満」「アルコール」「糖尿病をはじめとした代謝異常」の3つですが、「肥満」と「アルコール」が原因の約70%をしめています。

最近では、原因の一つとされてきた「アルコール」での脂肪肝は減少傾向にあり、そのほとんどの原因が「肥満」となっています。

アジアの人々は脂肪を蓄積しやすい遺伝子をもっており、更に食生活が欧米型の糖分や油分が多い食生活に変化してきたこともあり肥満が増加し、その影響で脂肪肝が増加したとも言われています。

注意しなければならないのは体系的な肥満だけが脂肪肝の原因ではないということです。
無理なダイエットをしたりすると、どうしても体内に脂肪を蓄えようとする力が働き肝臓に脂肪が蓄えられてしまいます。
外見的には肥満とは無縁の体系をしていても身体の中は肥満状態ということもありますので注意が必要です。


肝硬変の原因:ウイルス性肝炎

アルコールや肥満が原因で発症する肝硬変以外にウイルスが原因で肝硬変や肝臓癌を発症してしまう場合があります。

日本人の場合の肝硬変の原因でもっとも多いのが、ウイルス性の肝硬変でB型肝炎ウィルスとC型肝炎ウィルスによるものです。

ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。

��型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染します。これは海外での食事が原因となる場合が多いようです。

��型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。輸血や母子感染が主な原因となる場合が多いようです。

血液をかいして感染するB型、C型、D型肝炎ウイルス中でもB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなります。

肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。
一部の方では、倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸などの症状が出ることがありますが、全く症状が出ないことも少なくありません。

B型肝炎の場合は、まったく症状が出ない無症候性キャリアの方がほとんどで、全体の10~20%の方のみが肝炎を発症します。

C型肝炎ウイルスの場合はB型肝炎ウイルスより肝炎や慢性肝炎、肝硬変や肝臓癌に進行する割合が高くなります。

どちらのウイルス性肝炎の場合も血液で感染しますので、他人の血液に安易に触れないようにすることが重要です。

肝炎ウイルスは空気感染はしませんので、常識的な注意事項を守っていれば、日常生活でうつることはまずあり得ません。



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肝硬変の原因:アルコール

アルコールは適量を飲めば百薬の長ともいわれていますが、適量というのが難しいです。

どの程度の飲酒で肝硬変の危険度が増すかといいますと1日平均150g以上のアルコールを飲む人が危ないと言われています。

この量はお酒に換算すると、日本酒で約5合、ビール大びんで約5本、ウイスキーではダブルで約5杯ということになります。

これだけの量を毎日飲む人なんてそうはいないと思うのですが日本人の1/50人もの方がこれだけの量を飲んでいるそうです。

この量を2週間続けただけで脂肪肝になり、日本酒約3合を毎日飲む方の2割はがやがてアルコール性肝障害を発症し、一部症例では、発熱、黄疸、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、嘔吐、下痢などの自覚症状を訴えます。

更にアルコール性肝硬変に至ると、しばしば糖尿病、下肢の浮腫、黄疸、腹水、痔出血、吐血を認めるようになります。

男性の場合は、この量を20年間飲み続けると肝硬変になる可能性が高くなり、女性の場合は12年間飲み続けると、その可能性が高くなります。

最近では男性より女性の方の飲酒の割合が高くキッチンドランカーという言葉でもわかるように肝硬変になる前にアルコール依存症の症状が現れることも少なくありません。

ウイルス性の肝炎を患っている状況での大量飲酒は肝硬変だけではなく肝臓癌に進行してしまう割合が高くなりますので注意が必要です。



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アルコールが原因の場合の肝硬変の治療は、まず断酒です。

アルコールを断たないことには肝細胞へのダメージを無くすことは出来ませんので、禁酒ではなく断酒をすることが治療前の準備となります。


肝硬変の症状:初期

食欲不振

肝硬変では無くとも、ちょっとした体調不良や疲れでもあらわれる症状ですがれっきとした肝硬変の初期症状の一つです。。
食欲が無いのに嘔吐や吐き気などの症状があらわれますので、自分がどこか悪いのではと疑うことの出来る症状の一つです。


体重減少(激減)

肝硬変により胃腸食道の消化と吸収機能に異常が出る場合と食欲不振によって体重が激減します。


倦怠感、疲労感

はっきりとした理由も無いのに、なぜか最近疲れやすい。だるい。などの症状があらわれます。
極端な話し、歩くことさえ億劫になってしまいます。


メラニンの増加による肌の黒色化

肝機能が損なわれることでメラニン色素が増殖します。そのため肌が露出している部分の色が日焼けをしたように黒色化していきます。
日焼けをしたような肌で健康的に見えるかもしれませんが、日焼けをしたつもりもないのに肌が黒色化した場合は注意が必要です。


お腹のハリや腹痛、下痢

アルコールを多量に飲んだ次の日にも現れる症状ですが、肝硬変の初期症状としても現れます。
また、他の病気の症状と酷似しているため注意が必要です。
この症状が進むと黄疸などの症状が出てきます。


右わき腹の痛み

肝臓は腹部の右上部にありますので、この部分の痛みが続く場合は注意が必要です。
この症状は肝硬変の患者の半数以上が経験しますので、倦怠感、疲労感もある場合は専門医での受診を行ってください。

出血

初期症状として鼻や歯茎からの出血がみられることがあります。
この出血は肝機能が弱まったことにより、血小板の減少や血液を凝固させるための成分が減少するため、一旦出血すると止まりにくく繰り返すのが特徴です。



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肝硬変の症状:中期

黄疸

黄疸とはビリルビンという色素が血液中に増加し、その結果、全身の皮膚や粘膜に過剰に沈着した状態を意味します。

日本人の場合は肌の色が元々が黄色ですので判断は難しく、基本的には眼球の白目の部分が黄色いかどうかで判断します。

素人が見てもわかるくらい黄色ががっていますので、眼球を見て黄色ががかっている場合はすぐにでも専門医での受診をしてください。


静脈瘤

肝硬変の患者さんのほとんどに合併症として現れる症状です。

肝硬変で肝臓内の血液が流れにくくなると、一部が食道へ向かい静脈瘤を起こします。

食道静脈瘤の破裂は最悪の場合出血多量による死につながりますので注意が必要です。

これには胃と食道に与える刺激を極力小さくするため柔らかいものや加工してあるものや消化しやすいものとる必要があります。



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肝硬変の症状:末期

肝硬変の症状が進行していくと眼球の白めの部分に黄疸が出てきます。
また皮膚にも黄疸の症状があらわれてきます。
腹水などもかなり溜まっているはずですので、頻繁に腹水を抜く処置もおこなわれようになります。

この頃には肝機能がかなり低下した非代償性の肝硬変へと進行していますので通常であれば肝臓で無毒化されるアンモニアなども、血管を通してそのまま脳にまわってしまい、肝性昏睡という意識障害などを引き起こす肝性脳症の症状があらわれてきます。

肝性脳症が現れる頃には症状もかなり進行していますので、ほとんどの方は助からない可能性が高くなってしまいます。

肝性脳症肝性脳症は肝硬変が進行した場合に起きることがあるもので、意識障害が主な症状です。

ただ、意識障害といっても、気分にムラがあるとか異常行動をするとかの肝硬変とは関係ないような症状が現れる場合と、昏睡状態など一見して何らかの異常があると判断できる場合があります。

肝性昏睡
肝性脳症を原因とする昏睡です。昏睡と言っても眠ったような状況になるのではなく、意識がある状態での異常行動なども含まれます。
基本的に肝性脳症の昏睡度は5段階に分類されています。

昏睡度1
昼夜睡眠覚醒サイクルの逆転や興奮と抑うつ、だらしなさを気にしない、などの異常がみられる。
昏睡度2
軽い傾眠状態がおこり、財布を捨てたりする異常行動、物を置いた場所や時間が分からないといった意識障害のほか、羽ばたき振戦が見られることがある。
昏睡度3
嗜眠状態にあり、極度の怯え、興奮状態などが見られる。
昏睡度4
意識を消失し昏睡に至るものの、痛みや刺激に対する反応は見られる。
昏睡度5
痛みや刺激に対する反応が見られない深昏に至る。



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肝硬変の治療

肝硬変になった肝臓を元に戻すことは、現在の医療技術では不可能です。

問題は残っている肝臓の活動を助けることと、肝硬変の原因となっている肝臓の病気の治療の二つに重点を置きます。

肝臓の活動を助けることは、生活習慣の改善が良き治療法となります。

アルコールを制限し、タンパク質や塩分などの栄養素のコントロールも必要になってきます。

栄養バランスの取れた食事を心がけながら、また適度な運動を取り入れることによって代謝機能の回復も取り組みます。要するに肝臓に負担をかけないことが望まれるのです。

肝臓の病気の治療は、肝硬変の原因である根治治療を目的とします。

肝炎が原因の場合はその種類によっての治療を行います。B型肝炎やC型肝炎などが有名で、インターフェロン療法が効果があると言われています。

黄疸や腹水、食道静脈瘤などの合併症の症状が見られる場合は、それらの治療も随時行っていきます。肝硬変の症状が進まないよう、可能な限りこまめに体調の変化に注意したいところです。

肝硬変は治らない病気ですが、肝硬変が理由で死ぬというものでもありません。

合併症の治療、生活習慣の改善など、病気に対する姿勢を正せば、問題なく日常生活を送ることができるのです。




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