肝硬変の症状:末期

肝硬変の症状が進行していくと眼球の白めの部分に黄疸が出てきます。
また皮膚にも黄疸の症状があらわれてきます。
腹水などもかなり溜まっているはずですので、頻繁に腹水を抜く処置もおこなわれようになります。

この頃には肝機能がかなり低下した非代償性の肝硬変へと進行していますので通常であれば肝臓で無毒化されるアンモニアなども、血管を通してそのまま脳にまわってしまい、肝性昏睡という意識障害などを引き起こす肝性脳症の症状があらわれてきます。

肝性脳症が現れる頃には症状もかなり進行していますので、ほとんどの方は助からない可能性が高くなってしまいます。

肝性脳症肝性脳症は肝硬変が進行した場合に起きることがあるもので、意識障害が主な症状です。

ただ、意識障害といっても、気分にムラがあるとか異常行動をするとかの肝硬変とは関係ないような症状が現れる場合と、昏睡状態など一見して何らかの異常があると判断できる場合があります。

肝性昏睡
肝性脳症を原因とする昏睡です。昏睡と言っても眠ったような状況になるのではなく、意識がある状態での異常行動なども含まれます。
基本的に肝性脳症の昏睡度は5段階に分類されています。

昏睡度1
昼夜睡眠覚醒サイクルの逆転や興奮と抑うつ、だらしなさを気にしない、などの異常がみられる。
昏睡度2
軽い傾眠状態がおこり、財布を捨てたりする異常行動、物を置いた場所や時間が分からないといった意識障害のほか、羽ばたき振戦が見られることがある。
昏睡度3
嗜眠状態にあり、極度の怯え、興奮状態などが見られる。
昏睡度4
意識を消失し昏睡に至るものの、痛みや刺激に対する反応は見られる。
昏睡度5
痛みや刺激に対する反応が見られない深昏に至る。



         img20.gif