生体肝移植のドナーの条件

1.成人であること(原則として20歳以上65歳末満)。
2.原則として患者さんと血縁(3親等内)、または夫婦であること。
3.血液型が一致、もしくは適合していることが望ましいが、不適合でも行う
4.肝臓のサイズが合っていること。
5.自分の意思で肝臓を提供したいと思っていること。
6.心身共に健康であること。
7.感染症や悪性腫瘍などに最近かかったことがないこと。

生体肝移植でドナーになるということは簡単に決められることではありません。肝臓を提供して患者さんの命を助けたいという強い意思はもちろん大切ですが、明らかにドナーが危険にさらされるような手術は出来ません。

どんな手術も100%安全だという保証はありませんが、出来る限りドナーにとって危険が及ばないよう、ドナーの健康状態を十分に検査させていただき慎重に検討していきます。
ドナーの方にも手術前から禁酒・禁煙していただきます。もちろん手術後も約3ケ月間、医師の指示が出るまでは禁酒を続けなければなりません。手術後ドナーが健康な体になるまでは、ドナー自身にも責任を持って生活するよう心がけてもらう必要があります。

生体肝移植で大切なことは、ドナーの家族(親子・兄弟・姉妹間での移植ならドナーの家族、夫婦間での移植ならドナーの肉親)もドナーとなることに同意しているということです。時には反対されることもあるでしょう。反対を押し切ってドナーになることで、移植後、家族の間でしこりが残る場合があるかもしれません。

実際、家族の中から2人同時に手術を受けるということはとても大変なことで、周囲の協力がとても重要となります。そこで、ご家族の皆様にこのパンフレットをお読みいただき、肝移植を正しく御理解していただいた上で肝移植について御検討いただければと思います。