肝臓の病気:アルコール性肝障害

お酒を飲み続けることによって、肝臓が悲鳴を上げてしまいます。食べた物を代謝させるためにフル回転している肝臓に、毎日毎日お酒を飲んで、アルコールも分解させなければいけません。これでは肝臓に負担がかかりすぎてしまいます。日本よりお酒を大量に飲む欧米では、肝硬変を起こす人も多いそうです。

アルコール性脂肪肝
上記したように、お酒が原因で脂肪肝になってしまう場合があります。脂肪肝の自覚症状はありませんが、中には右上腹部に痛みを覚えたり、食欲不振、だるさが出る場合があります。この段階では、お酒を控えることで脂肪肝を改善することができます。

アルコール性肝線維症
脂肪肝なのに、何もせずにそのままお酒を飲み続けると、線維症に移行してしまいます。お酒を飲み続けることによって、肝細胞の周りに線維ができるもので、繊維があるために、肝臓の血管の中を流れる血液中の栄養分が、肝細胞の中に入りにくくなってしまいます。

そのため、肝臓の働きが低下してしまいます。線維が少ないうちにお酒をひかえることで、肝臓は正常に戻りますが、それでも飲み続けている場合、肝硬変へと移行してしまいます。


アルコール性肝炎
脂肪肝や肝線維症になっても相変わらずお酒を飲み続けた場合、肝炎を起こす場合があります。食欲不振、嘔吐、だるさのほかに、発熱する場合もあります。中には黄疸の症状が現れる人もいます。肝臓が腫れるので、右の肋骨の下を押すと痛みます。

胆石の疝痛発作のような痛みを伴うこともあり、胆石と間違われることもあります。進行すると腹水やむくみも出て、重症になると命にかかわることもあります。しっかりと入院してお酒を断ち、完治しなければいけません。完治できないままでいると、入退院を繰り返すことになりますし、肝硬変に移行する場合もあります。


アルコール性肝硬変
ここまできてもお酒をやめないのは、命知らずとしか言い様がありませんが、一説にはお酒を1t飲むと肝硬変になると言われています。もちろん個人差があります。肝硬変になると、肝臓の中に、線維で囲まれた結節がたくさん認められるようになり、血液が流れにくくなってしまいます。

手のひらが赤くなったり、上半身にクモの足状の血管腫ができます。重症になると、黄疸や腹水などの症状が出ます。



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