肉体的な痛みとしては、腹水や胸水といった合併症に伴うもの、癌の進行によるもの、手術を行ったことで、術後に残るもの、抗がん剤などの治療の副作用といった様々なものがあります。このほかに、精神的な辛さも存在します。
肝臓がんの痛みを緩和するためには、主に鎮痛剤を使っていくことになります。直接的な治療効果があるわけではありませんが、疼痛のコントロールのために、必要な場合には行っておきましょう。
痛みを緩和する薬
非オピオイド系の薬は比較的症状が軽い場合に使われます。炎症物質であるプロスタグランジンの発生を抑制する効果があり、副作用としては肝機能の低下や胃・腎臓障害があります。アスピリンやインドメタシン、イブプロフェンといった一般の方でも聞いたことのあるものが、これに該当します。
弱オピオイド系の薬は脳に働くことで、肝臓がんによる痛みを感じないようにします。副作用としては頭痛や便秘・下痢、めまいがあります。コデインやジヒドロコデインが例となります。
強オピオイド系は効果が強く、モルヒネやフェンタニールといったものがあります。脳に作用して苦痛を緩和するのは弱オピオイド系と共通しており、副作用は眠気や吐き気、精神の不安定といったものがあります。効果が高い反面、副作用も強いため、医師の処方にしたがって正しく使用する必要があります。