肝臓の位置と働き

 肝臓は右腹部に位置し、横長の三角に近い形をしている臓器です。重さは1キロから1.5キロほどと大きな臓器となっており、およそ3000億の肝細胞を持っています。

 肝実質と肝小葉から作られており、肝実質は肝臓そのものとなっており、肝小葉は肝動脈や門脈、胆管で構成されています。肝動脈は酸素を豊富に含んだ血液を肝臓に送る役割を持つ血管です。門脈は消化管から吸収された栄養分を送り、胆管は肝細胞で作られた胆汁を送り出す働きを持っています。

 肝臓にはいくつかの働きがあります。胆汁を作ることによって食物の分解や消化を助ける作用や、体内に入った有害物質を無害化する解毒作用、アンモニアを尿素に変えて尿として排出できるようにする機能、栄養分を貯蔵しておく働き、血液を溜めて体に流れる循環量を調整する役割があります。

 沈黙の臓器と呼ばれるだけあって、病気になっても症状はすぐに出るものではありません。これは癌の場合にも言えることです。したがって、自覚症状が現れた時には、進行している可能性が高いと言えます。